私たちの思い


“オープンスペースに次のあたりまえを作る”


デンマーク コペンハーゲンのストロイエ

誰もが等しく利用できる公園や広場、歩行者空間などのオープンスペースに注目が集まっている。

都市公園は、全国で10万箇所以上、1人当たり面積10平米を超えるなど十分な整備がなされたものの、そこに十分な賑わいが生まれているとは言えず、また一部の公園は空き地化し事故や事件の温床となっている。現在、国や地方自治体の財政危機による維持管理費の削減もあり、国土交通省は規制を緩和し、民間企業の参入を期待している。

出典:国土交通省が2016年に公開した「新たな時代の都市マネジメントに対応した都市公園等のあり方検討会」最終報告書 より http://www.mlit.go.jp/common/001152249.pdf

都市部の公園では、待機児童問題の対策として地域住民による反対が一部ではありながらも公園への保育園設置が決まるなど、差し迫った課題解決のためにこれまでに無い多様な使い方を求められている。

高齢化社会は国の財源に大きな負担を与えるまでになっており、子育ての場として使われてきた公園を高齢者の健康増進の場として活用するなどの転用が進められている。

さらには、東日本大震災や熊本大分地震などに見舞われた災害大国日本において、ライフラインの一部として公園の活用の見直しも進められている。

ニューヨークのタイムズスクエアなどに代表される歩行者空間は、観光や商業的な成功だけでなく、都市全体に活気を生み出すだすことに成功している。そして、日本においても類似の試みが行われている。

毎年恒例のニューヨーク・タイムズスクエアでのヨガのイベント

世界で一番住みたい街、クリエイティブクラスが最も集まる街といわれるポートランドの再開発の中心には常に公園や広場の議論が先にあり、その整備から始まっている。また、全米初の高速道路撤去と言われる場所の跡地は、今ではとても素晴らしい公園になっている。そうしたポートランドの成功の秘訣を探ろうと、日本からも多くの行政やデベロッパーなどが視察に押しかけている。

ポートランド再開発の事例として最も有名なパール地区の中心にあるJamison Square。もっとも地価が高いであろう一等地にある。ここが、地区全体の賑わいを生み出している。

このように様々な課題の解決の場として可能性を見出されつつある日本のオープンスペースであるが、情報革命以降に起きた様々な産業での発展や成長と比較し、オープンスペースには情報技術を活用したイノベーションの余地が大きいと考える。

私たちコトラボは、コトブキが長年培ってきたオープンスペースに関する知識や経験、そして自らの強みである情報技術の活用を通じて、オープンスペースにイノベーションを起こし、新たな産業や雇用を創出していく。

そして、オープンスペースがより身近に、より使いやすく便利に、安らぎ、楽しめ、”自分と違う”と繋がれる場所となることを目指している。

 

2017年4月1日

コトラボ一同